友情ある説得 (1956) : Friendly Persuasion

ウィリアム・ワイラー初のカラー作品。ジェサミン・ウェストの原作から彼自身とワイラーとハリー・クライナーが共同脚色し、ワイラーが製作・監督を担当する。撮影はエルスワース・フレデリックス、音楽はディミトリ・ティオムキン。出演者は、ゲイリー・クーパー始め、ドロシー・マクガイア、ロバート・ミドルトン、マージョリー・メイン、他にリチャード・アイアー、アンソニー・パーキンスなど。

友情ある説得 (1956) : Friendly Persuasionのストーリー

1862年、南北戦争のアメリカ。クェーカー教の牧師ジェス・バードウェル(ゲイリー・クーパー)は妻のエリザ(ドロシー・マクガイア)と3人の子供、ジョッシ、マティ、小柄なジェスと北インディアナ州で平和に暮らしていた。その日ジェスは一家を馬車に乗せ日曜集会に行くところだったが、親友サムと、その息子ガードの馬に追い抜かれるや口惜しさの余り、これと競争した。当時のクェーカー教とは、どんな誘惑にも毅然としていたものだが、ジェスはその誘惑に負けたのである。集会には北軍の少佐が出席していて、クェーカー教徒も南軍と戦うべきだと説いた。若いジョッシは、この言葉に大きな衝撃を受けクェーカー教徒して良心の呵責を感じた。

やがて祭りの市が開かれバードウェル一家も出かけた。そこでマティとガードは互いに愛し合うようになるが、ジョッシは友人の喧嘩に巻き込まれ最初の暴力を振るった。父親のジェスもエリザに知らせずオルガンを買い込んでしまった。祭りがすんでジェスとジョッシは旅に出、寡婦のハズペスの農場を訪れた。ジェスは、そこで自分ののろい馬とハズペスの速い馬とを取り換えたが農場に滞在中、南軍の兵士が農場を襲撃、それをハズペス一家が見事撃退する事件が起きた。これを見たジョッシは再び強い衝撃を受けた。

家に戻ったジェスは新しい馬でサムの馬を負かして有頂天になった。ところが、平和主義のクェーカー教徒としての自分の立場を悩み続けていたジョッシが地方義勇兵に応募すると固い決心を語り驚かした。エリザは落胆するが、ジェスは息子の言葉は無理もないと思った。やがてジョッシは戦いに参加、1人の兵士を殺すが自らも負傷する。独り戻った馬によって、これを知ったジェスは息子への愛情から遂に銃をとり、必要とあれば戦う決心もして出かけた。途中、南軍の奇襲隊に撃たれ瀕死のサムを発見した彼は奇襲隊員を追って銃口の先に捉えた。しかし彼は突然人を殺すことはできぬと覚って敵を逃してやった。間もなく負傷の息子を発見しジェスは家に戻った。不逞の襲撃者も他の地方に去った。バードウェル一家に再び春が訪れ、マティとガードには明るい未来が輝いていた。

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