ファニー・ガール (1968) : Funny Girl

女流作家、イソベル・レナートの原作・脚本を、3度アカデミー賞を得ていたウィリアム・ワイラーが監督のミュージカルである。撮影は、ハリー・ストラドリング、音楽は作詞はボブ・メリル、作曲をジュール・スタインが担当している。なおミュージカル場面の監督にはハーバート・ロスがあたっている。出演は、バーブラ・ストライサンド、オマー・シャリフ、ケイ・メドフォード、アン・フランシス、ほかにウォルター・ビジョン、リー・アレンなど。製作はレイ・スターク。

ファニー・ガール (1968) : Funny Girlのストーリー

人気のないウインター・ガーデン劇場の舞台、ジーグフェルド一座の名優、ファニー・ブライス(バーブラ・ストライサンド)は、1人で座っていた。彼女の頭には過ぎさった日のことが次々と思いめぐった。--

ファニーは、スターを夢みる一介の踊り子だった。彼女はいつも失敗ばかりで、コーラスからもはずされてしまったが観客にはこの失敗が大いに受け、劇場主キーニーは今までよりも高給で彼女を雇い入れねばならなかった。そんな彼女を、踊り子の間では人気のあるギャンブラーのニック(オマー・シャリフ)は引き抜こうとしたが、彼女は断った。が、ファニーの胸には、ニックが強くやきついた。

ファニーのショウは各方面で話題となり、彼女は、ジーグフェルド一座のコメディアン・シンガーとして雇われることになった。ここでも彼女は大喝采を博した。彼女の前に再びニックが現れた。そして2人は、お互いに好き合っていたことに気がついた。だが、2人が再び会えたのは1年も経ってからのことで、ショウの一座が興行に行った先に、ギャンブル狂のニックが競馬に来ていた時のことであった。この再会は、2人を結婚にまで導いた。娘も生まれ、ファニーには幸せな日が続いた。だが、ニックの仕事がうまくゆかなくなり、ファニーは再び舞台での仕事を望んだが、ニックは反対だった。しかし、金もなくなり、ニックはばくちで失敗、彼女はまた舞台に立つことになった。人々はニックのことを、ミスター・ブライスと呼ぶようになった。この言葉にニックの自尊心は傷つき、彼はギャンブルにおぼれ、ついには獄につながれる身となった。

--舞台の上で思いにふけるファニーに、付人が時間を知らせにきた。今日はニックの出獄の日である。化粧室でメークアップする鏡の中にニックの姿が映った。ファニーはとびついていった。だがニックは「別れるのが、一番良さそうだね」と静かに言った。昔ニックがくれた青い宝石を握りしめ、ファニーは、舞台への廊下を進んでいった。