孔雀夫人 (1936) : Dodsworth

リタ・ウィーマン女史がサタデイ・イーヴニング・ポスト誌に掲げた原作をナジモーア夫人自ら脚色し主演した映画で、監督は「幼子の心」と同じくレイ・C・スモールウッド氏である。孔雀夫人と賞せられ、舞台の上に華やかな日を送る女優も、運命の神の冷たき笑みには、失意の悲しみに嘆く日がある。彼女の幸福は誠に己に目覚めた時初めて得られるべきものであるというのが原作の狙いどころである。ナジモーア夫人はジェーン・ゴアリングとグローリア・クロムウェルの2役を演じている

孔雀夫人 (1936) : Dodsworthのストーリー

サム・ダズワースは、アメリカの中西部にある工業都市ジーニスで20年間経営してきた自動車会社を売却した。これから先の時代に対する自動車の限界を感じたのと、一人娘のエミリーも結婚したので、第二の人生を20年間生活を共にしてきた妻と謳歌すべく長年憧れていたヨーロッパへ旅行する事が目的であった。

サムは仕事も出来るし、家庭の良き父親に見えるが友人曰くそんなサムの唯一の欠点は、女を見る目がなくアメリカの恥と愚かさの塊のような女のフランを伴侶にしてしまった事であった。フランは、単純かつ正直なのだが歳の割に若く見えるのが取り柄で、古き良き伝統もないアメリカでの生活に嫌気が差しており、かつてスイスの女学校にいた頃に知ったヨーロッパの古風な伝統ある生活に憧れていたのだ。

さっそく、2人は豪華客船クイーン・メリー号に乗ってヨーロッパへ向かうが、見栄っ張りなフランは派手な装飾のドレスを着て、貴族の男達を取り巻いて軽薄な振る舞いをする。そんな妻の愚行に目を瞑りながらもサムは夜の船のデッキの上で、哀愁の雰囲気を纏った教養豊かな婦人であるイーディスと出会い…。

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